レンガ・タイル外壁
建物は定期的にメンテナンスを行うことで美観を保ち建物を長くもたせることができます。
外壁材の種類によってメンテナンスの方法や費用も変わりますので、建物を長持ちさせるためにも外壁について知っておくことも大切になります。
レンガ外壁材には、本物とレンガ調がある
レンガには、本物のレンガとレンガ調があります。さらにレンガ調には「レンガ」と「サイディング」があります。
レンガ調窯業系サイディング
レンガ張り
本物のレンガを使用する場合にはレンガを張り付ける手間、費用もかかるのでレンガ調の外壁材を使用するのが主流になってきています。
本物のレンガの特徴
レンガとは粘土にドロ、砂などを加えて練った材料で、乾燥や素焼きした建築材料です。
穴に鉄筋を通して固定していく工法です。
赤茶やグレー系など色も様々で、複数色のレンガを使用したり、レンガの色や目地の色などデザインをかえたりとこだわりを加えることができます。
本物のレンガはどのくらいのシェアがあるのか
レンガ壁と言うと、観光名所にもなっている赤レンガ倉庫と呼ばれる建物が思いつくのではないでしょうか。このようなレンガ外壁は、外壁というよりも、レンガを積み上げていく構造体となる建築になります。
日本の住宅で取り入れられることはあまりなく、レンガの積工法もフランス積み、イギリス積みなど欧米で広く使用される工法になります。
日本ではレンガを積むよりも貼る工法が主流です。一条工務店さんなどはレンガやタイルを貼る家が多くありますが、これは構造ではなく化粧仕上げです。
本物のレンガは塗装不要
本物のレンガは耐久性が優れていますので、塗膜で保護する必要がなく、経年劣化によって味わいが出、レンガ特有の雰囲気を楽しめます。
ただし、目地の中のセメント量が少ないモルタルになるので水を吸い込み、吸い込んだ雨水が白化となりにじみ出ることもあります。それを防止するために撥水材やクリアーも必要になるかもしれません。
レンガがRCなの鉄骨なのかも検討しなければならない部分でもあります。
劣化症状と補修
ひび割れ
煉瓦は幅が100ミリであり一表面だけクラックが入るということはほとんどなく、貫通していることが多いです。補修は部分的に防水材を注入する補修方法になりますが、表面の類似塗装が必要になります。
コケや藻
薄めた次亜鉛酸などで洗浄すれば取れることはありますが、レンガ自体の水垢は完全には除去できません。
目地の劣化
目地はセメントの量が少ないモルタルで積みますので劣化しやすく、表面に目地材を擦り込むか、中性化を防止させる塗材を塗布する方法があります。
抜け落ち
レンガがもし抜け落ちた場合、部分的に貼ることは可能ですが、レンガにも鉄骨のような母材で緊結されていることもありますので確認してみる必要があります。
タイル外壁材の補修
レンガ調の場合は、タイルとサイディングの2種類があり本物のように積み上げるのではなく、張り付けて施工する外壁材です。
時間と費用を抑えることができ、レンガ外壁の家のほとんどがタイルやサイディングを採用しています。
ただし、本物と違い半永久的な耐久性はありませんので、定期的なメンテナンスはもちろん必要になります。
タイル外壁
タイルの浮き
タイルは接着剤で貼る工法なので経年劣化により浮いてくることがあります。浮いたタイルはエポキシ樹脂などで注入する方法か、タイルの張替えの必要があります。
浮いたタイルは剥落し事故にもつながる危険性がありますので定期的なメンテナンスは必要不可欠です。浮きは打診棒を使用した検査方法で、全面を打診し調査する必要があります。
目地材の剥離やクラック
タイルのクラックは補修することができませんので、張替えをするか剥落防水工法で樹脂皮膜します。しかし、皮膜する方法はクラックが見えなくなるわけではありません。
タイルの塗装
塗料よりも耐久年数が長いため基本的に塗替えは必要ありませんが、防水性を付与するためのクリアーは漏水している場合とても効果的です。また、タイルの美観を損ないませんのでお勧めです。
色を変えたい
特殊なプライマーを使用すれば塗装で対応はできます。しかし目地も同色となりますので美観は損なわれる可能性があります。
タイル調サイディング
コーキングの劣化
打ち替えは必須になりますが、ALC外壁で「アロンウォール」のような防水性の高い塗料で塗り替える際は、コーキングが不要の場合もあります。
サイディングの反り、割れ
反りはビスで増し打ちして復旧するときもありますが、原因が直貼り工法の場合は根本的な部分を解決しなければなりません。
割れは程度によりますが、シーリングと簡易補修で直すこともできます。
チョーキング
塗膜の紫外線劣化で、塗替えのサインにもなります。
タイル模様の色褪せ・カビの発生
タイル調サイディングは工場で塗装していますので、紫外線劣化が伴います。近年はツートーンカラーでの塗替えやもともとのデザインを損なわない多彩模様での塗替えも可能です。通常塗装よりも2割3割程高くはなります。
クリアー塗装と2色で塗り分ける
タイル調サイディングはチョーキングや色褪せが酷くない場合はクリアー塗装で新築同様によみがえらせることも可能です。その際のメンテナンスのタイミングは業者さんに判断してもらうと良いでしょう。
クリアーでのメンテナンス
まとめ
レンガには本物とレンガ・タイル調の2種類があります。
本物のレンガは耐久性がとても優れ、塗装の必要もないという特徴があります。
磁器タイル、サイディングの場合はレンガ外壁を費用を抑えてできるというのもありますが、定期的なメンテナンスは必要です。