雨漏りしやすい屋根の形状
屋根の形状によっては雨漏りしやすい状態になっている場合もあります。
屋根の形状も様々ですが、一部ご紹介します。
無落雪屋根
無落雪屋根とは雪下ろしの必要がない屋根で、三角屋根の上に上って雪下ろしする必要がない形状になります。
しかし、デメリットも多く、建物にダメージを与えることがあります。雪が落ちないということはどんどん雪を積もらせます。雪の重さで建物に負担をかけます。また、排水する部分が凍ってしまい水の行き場がなくなり雨漏りにつながるデメリットがあります。
軒先に雪が溜まり続け、すが漏れが起きやすい形状です。
実際に雨漏りがあった事例です。
雨漏り調査では止水バルーンを使用しドレン配管を止め、側溝内に水を溜めます。
すると、簡単に水が漏れてきました。
2階のトイレの天井からポタポタと水が浸入し、時間が経てばたつほど勢いも増します。
側溝のドレン廻りからと軒先からの雨漏りのようでした。
根本解決するのなら屋根の形状を変更して葺き替えをするしかありません。
もしくは、何年もつかわからない防水工事になります。
葺き替えと防水工事では金額が10倍程変わります。しかし、雨漏りの再発の危険がある工事にかけるのであれば確実に止まる方法で解決したほうが良いのではないでしょうか。
また、この形状ですと当店でも防水工事に保証を出すことができません。
安心できる生活のためにもこの形状の屋根でしたら根本解決の方法でご提案します。
煙出し屋根
煙出しとは、昔囲炉裏を使っていた時代、囲炉裏から上がる煙を排煙するために設けられていたものです。現在囲炉裏を使うことはないのでこのような形状の屋根もなかなか見ないかもしれません。
煙出しの屋根のご実家で雨漏りがあった事例です。
屋根部分からの雨漏りで天井にシミができている状態です。
煙出し部分にコーキングで補修した跡がありましたが、劣化が激しく破断している状態でした。
この煙出し部分は隙間が多く防ぐ処置が必要になりますが、現在囲炉裏は使わないので板金で塞ぐのであれば撤去してしまった方がよいと判断しました。
煙出しの解体をし、新しく棟木や垂木を既存の下地に繋いで補強します。
野地板で塞いで板金仕上げをしていきます。もちろん中には防水シートも張っていますので雨漏りの心配もありません。
施工後は散水をし、雨漏りがしないことを確認します。
屋根は劣化だけでなく形状そのものに雨漏りの原因につながるものもあります。
建物内部に水が浸入し躯体内部を腐食させてしまう前に、思い切って屋根の形状を変えるなどの対処も一つの方法です。