劣化状況。錆の発生条件と下地処理の真実!
トタン屋根をケレンした後、洗浄をかけるとどのくらいの時間で錆が発生するのでしょうか? 全ての人にわかりやすく!実験です!
まず、丁度小屋にあったいい感じに錆びている雪止めアングルで実験です。
ディスクグラインダーというケレン用具です。主に鉄部や屋根の錆取りに適した刃を使用します。
ガリガリ削ること数十分であっという間に素地が現れてきました。
青テープで中心から仕切り目印に。まず右側に真水を掛けていきます。
次にテープから左側に食塩水を掛けていきます。海岸部は内陸よりも錆の発生が酷いのでそれを利用した促進試験です。(食塩と海水では全然違うのかもしれませんが…)
端の方に塩をそのまま乗せてみてみましょう。
2日後…。なんということでしょう!こんなにも錆びが(;゚Д゚)!!(※これはエイジング塗装ではありません(笑))2日続きで雨が降ったということもありますが…まさかここまで錆びるとはー(;゚Д゚)!
塩を乗せた部分の錆はひどいですね。(青丸) 海水と塩水では塩分濃度も内容物にも違いはありますが、やはり塩素系ダメージは大きいのがわかりました。
まとめ
今回使用したアングルは亜鉛メッキタイプのものなのでステンレス製のアングルはここまで錆はしないと思われます。
しかし、よく「ステンレスは錆びない」と言われているのにも関わらず、厳密に言えば「錆びづらい」というだけであり、硫酸や塩酸によっては錆びるのですね。
錆びる原因は空気中の酸素と化学反応により起こる現象です。「錆」は元々鉱物だと言われており鉄は酸化する事により元の状態に戻ろうとすると「錆」という物質に変わります。
その酸化を防ぐ為に被膜形成(塗装)が行われ、錆を防ぐ為には塗装を行うか、合金するか、なんらかの化学処理が必要になります。
さて、以上を踏まえ“ケレン後の洗浄”にこだわる方はいるのでしょうか?
今回は都合よく雨も降ったので結果が早くわかりましたが、天気がいい場合、洗浄や濡らした程度になりますとここまで出ないと思いかもしれませんね。
すぐ乾いてくれると思います。「乾いたあとすぐ錆止めを塗ればいいじゃないか。」という人もいるでしょう。
しかし、破壊された亜鉛メッキ層に水をかけること自体が錆の発生原因とわかった以上、適正な判断を下すべきだと思われます。
トタン屋根や鉄製品等を塗り替える際は、是非入念なケレンと入念な清掃をして塗装を進めてください。
仮に洗浄をするときはケレン前、汚れ落とし程度としてご活用をおすすめします。
それにしても錆の力…あんなに強かったとは(;゚Д゚)…塗装屋と錆は切っても切れない関係ですので錆に打ち勝つために塗装屋も日々勉強!ですね。