屋根塗料メーカー・樹脂別試験
雪国山形県はトタン屋根が主流です。過酷な天候の雪、雨風に耐える塗料はあるのでしょうか?
当店でいくつかのメーカー、塗料別に実際塗り比べ対候性の実験を行いました。メーカー名、塗料名は控えさせていただきます。
メーカー別カタログは耐年数、耐候性の基準は雪の降らない地方でのデータです。正直このデータは雪国では通用しないと思います。
ほとんどは、雪の滑走による塗膜の磨耗は考えていませんのでいくら下地を強化しようとも、上塗りを強化しようとも摩耗性に強くなければ山形県では意味がありません。
この問題は様々なペンキ屋がぶつかることであり、今現在は大きく分けて2通りの施工に分かれている状況と思われます。
1:金額を限りなく抑え、約2.3年周期で塗装する方法。
2:長持ちするよう下地処理、下塗り、上塗りを規定どおり行い塗装する方法。(勿論樹脂も高価な塗料を使用します。)
どちらが得をするかと言えば「ズバリ、2」だといえます。その場の金額は抑えられても長い目で見れば2の方がずっとお得に工事ができます。
しかし、山形県のほとんどの人は1に収まる傾向にあり、2.3年周期で塗装依頼する人も稀です。そろそろ、と思いつつもまだ大丈夫かな…と引き延ばし気づいた頃には錆だらけ、という現状も多いです。
そうなると引き延ばし傷んだ分工事金額も割高になってしまい余計高くなってしまうケースも少なくありません。当店も屋根の塗装工事のご依頼は多いのですが、きちんと説明すると大体2の仕様で納得していただきます。
では、2で塗った場合でもメーカーと塗料により大小様々な機能があります。例えば、A社とB社のシリコン屋根塗料を塗り比べるとA社の方が耐久性があった。ということもあります。
山形県にはどこのメーカーで何の塗料が適しどんな仕様でするべきなのか。本当に長持ちさせたいのであればこの問題をクリアしていかなくてはなりません。
ですが、数千種類存在する塗料を1つ1つ試していては…果てしないですね…。環境の悪い山形県です。少しでも長持ちして節約できればと思うのは当然のことです。
そこで、当店でいくつか例に挙げメーカー別、塗料別に実際塗り比べる実験を行いましたのでご覧ください。
写真は、当店でも良く使う屋根の塗料です。(余り塗料ですので色の違いは関係ありません。)
基本的には長持ちする良い塗料です。左から2番目のみ汎用型の塗料になります。屋根だけでなく外壁の仕上げ塗りや鉄部にも使えますが実際屋根に塗ったのは初めてです。ほぼ外壁に使用しているものです。カタログ上は屋根にも塗れると書いておりますが、個人的には屋根と外壁は違うものですので、様々な視点 から考え屋根に塗るものではないのでは?と判断しています。
左から1番目は特殊な塗料になり見た目はメタリック調です。基本的に良い塗料で年数が経つにつれ退色し粉化していくという良い性能を持つ塗料です。パリパリと剥がれるよりも、1皮1皮ずつ粉となり塗膜が薄くなるほうが長持ちする塗料です。ただしグラファイトを屋根に塗った数年後は、粉化が酷くて歩けなくなりますので正直塗らない方が良い塗料です^^;
左から2番目(合成樹脂)は、もっとも安価で余り使われませんがせっかく実験するんですから色々な塗料を使ってみましょう。3番目はトタン屋根用で昔よく使っていました。一番右はB社でもっとも優れると思われるトタン屋根塗料です。
左から1番目は屋根塗料ではなく外壁の塗料で、ゴム状に固まる、主に外壁改修用の塗材になります。(ものは試しです。使える塗料は使ってみて案外良い発見があるかもしれないので(*’▽’))
2番目(白)は、水性塗料なので多分すぐ剥がれるでしょう…
3番目はアルミニウム塗料で名前の通りアルミニウムを溶かしたような塗料です。(全然期待しておりません(。-`ω-))
4番目は下から2番目に良い塗料で山形では多く使われておりますが、当店ではほとんど使いませんね。
左から1番目はこれも外壁用で主に仕上げの上塗りに使われます。樹脂は良いので期待しています。ちなみに低汚染性は抜群に良く汚れづらい塗料です。
2番目はトタン屋根塗料です。構期待できる塗料です。
3番目は鉄部にも木部にも使える汎用型の塗料で屋根向きではありません。
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実験風景
旧本社材料置き場の屋根です。波板トタンの方が勾配がありましたので雪の滑走がよいと思いこちらで実験することとなりました。
実験の趣旨は耐摩耗性に優れているかを見たいのでできる限り雪を滑らせる必要があります。
さてどれが生き残るのか‼?雪にも負けない山形向きの塗料はどれなのか‼?毎年雪が解け次第確認したいと思います。
勿論この先メーカーや塗料自体も増やしていくつもりです。が…塗った時期や時間が違えば多少の差異は出ますのでその時は誤差何日かを差し引き比較するしかないでしょう…。
みなさんに自信を持ってお勧めできる塗料を探しだして見せます!
※こちらの実験を行ったのは2005年です。何年もつのか長期にわたりの実験となりました。