屋根の劣化
屋根の劣化状況も様々です。屋根の形状、前回塗った時の塗料、紫外線や雨風雪などその状況によります。 どのような屋根の不具合が考えられるのか見ていきましょう。
屋根の穴
屋根に穴が開いている場合です。これは雨漏りにも直結してしまう問題になります。
こちらの写真は雪止めアングルを外した部分の穴になります。アングルの金具部分は雨水が流れるところでもあるので小さなゴミなどもたまりやすくこのような事態を引き起こす可能性があります。
なかなかアングルの金具まで外して塗装をするということはないのでどうしても見つけにくいですね。
こちらのご自宅は雨漏りが発生したので調査したところこの部分からでした。表には見えないところなので工務店さんも見つけることは困難だと思います。
塗膜の剥がれ
塗膜が剥がれたり浮いたりする原因はいくつか考えられます。
・乾燥時間が短かった。強引に乾燥時間を早める。
・高圧洗浄での汚れ撤去が不十分。水分油分などの汚れが十分に落としきれていなかった。
・下地処理が適切でなかった。ケレンで前回の塗膜が撤去されていない。目粗しが不十分。
・下塗りがされていなかった。時間短縮のため不十分な作業をした。
・下塗りに合う塗料を使用しなかった。下塗りと上塗りの相性が悪かった。塗布量が適正でなかった。
・天候管理をしていなかった。天候に応じての工程ではなかった。
などが挙げられます。
よく前回ホームセンターで購入したものを使って自分で塗りました。という話も聞きますが、こういった事態を引き起こしかねません。この状態になってからではプロが使用する塗料との密着力が悪く、きれいにしたくてもなかなか困難になる場合もあります。
また、山形での屋根塗装は天候管理が重要になります。
10月に入ると朝晩が冷えてきます。日中との寒暖差が激しくなるとブラッシング現象を引き起こし、艶引けしてしまいます。
せっかく塗ったのにピカピカでなくなり、塗料本来の性能を発揮できなくなります。
当店では10月以降の屋根塗装は極力行いません。せっかく塗装するのに不具合があっては全く意味がありません。
適切な工程で適切な処置をしなければ劣化につながってしまいます。
出釘
屋根の笠木には釘が打たれています。このトタンの中には貫板が入っており、貫板にトタンを被せるために釘が打たれます。
振動などもありますが貫板は木ですので湿気や雨などにより膨張します。それにより釘が出てくる現象が起きることがあります。
屋根のてっぺんですのでなかなかご自分で見ることはできません。よく台風などで笠木が飛ばされた!なんてお電話をいただきます。知らず知らずのうちこのような状況になっていたというのも少なくはないのです。
定期的に屋根塗装などのメンテナンスをしっかりしていればこのような状況にはならなくて済むはずです。
もちろん屋根の状況をしっかり診断して説明してくれる業者さんによります。
「塗装だけをお願いされたから。」と見て見ぬふりをされても屋根のてっぺんじゃわかりようがありません。やはり業者の選択も大事になりますね。
もらい錆
屋根に設置されているアンテナやスノーストップは屋根よりも錆びるのが早いです。
アンテナ、スノーストップを外して屋根塗装をしても、錆びたものをそのまま設置してしまっては意味がありません。
せっかくきれいにした屋根に錆汁が流れて屋根の錆に発展します。
アンテナはいったん撤去して錆を落とし塗装してから設置。スノーストップは新しいものに交換での提案で心配は解消されます。
せっかく塗装するのですから細部まで気を付けたいところです。
アングルの錆
アングルも錆びやすい部分です。屋根はピカピカでもアングルの錆があったら目立ちますし、こちらも雨水によってもらい錆を引き起こします。
アングルを設置したまま塗装する業者さんはいるかもしれませんが、L字型になっていますのでくぼんでいる部分に工具をあててさび落としをするのは不可能です。見た目だけきれいになればと表面を削り塗装すればまったくわからないですよね。
アングルも一旦撤去し、工具での錆落とし、塗装をしてから再設置をしなければ完璧な屋根塗装とは言えません。
退色
紫外線などで塗膜の機能も失い色あせてしまう現象です。適切な工程で行われなかったという場合でも起こりえます。
写真を見てみるとどのように職人さんが塗装しているのかがわかります。濃くなっている部分は塗っているときに自然と重なるので二回塗の状態になっています。そこだけ濃く残っていますが、白くなっているところは塗料が薄かったのでしょう。
まとめ
年月がたてば劣化するのは全てにおいて当然のことなので仕方ないのですが、大事なお家ですのでなるべく避けたいですよね。
さらに山形では雪が積もりますので雪の重みや滑走があります。雪の滑走は柔らかい雪ではなく氷と化したものになるので摩擦により屋根を痛める原因になります。豪雪地では雪下ろし作業などもされるのでスコップで傷をつけてしまうこともあります。
定期的なメンテナンスが必要になってきますね。