スレート、コロニアル屋根の特徴
一般住宅での屋根はいくつかの種類が使用されています。施工方法、メンテンナンスの工法、費用もそれぞれの屋根材によって違いがあります。
新築時やメンテナンスの際は、ご自宅の屋根材について知っておくことも大切になります。
スレート
スレートとは、厚さ5㎜程の薄い板状の屋根材です。種類は2で「天然スレート」「化粧スレート」があります。
天然鉱物を加工している天然スレートは、高額のため国内での使用はあまりありません。一般的にスレートといわれるのは化粧スレートのことになります。
戸建て住宅でよく使われるスレート屋根(カラーベスト)
工場等でよく使われる波型のスレート屋根
スレートの特徴
化粧スレートは、セメントと繊維材料を混ぜ合わせたもので薄い板状に加工します。人造スレートとも呼ばれる屋根材です。
また、スレートの商品名として「カラーベスト」「コロニアル」と呼ばれることもあります。
メリット
メリットとしては薄くて軽量なため建物への負担が少なく耐震性に優れているということがあげられます。
また、色のバリエーションも豊富で、様々なデザインの建物に合わせることもできる屋根材です。
スレート屋根は普及率が高いため施工できる業者が多くあります。費用もコストを抑えて施工することが可能です。
デメリット
スレートの耐用年数は15年から20年と他の屋根材に比べて耐久性が低いのがデメリットとしてあげられます。そのため、維持するためのメンテナンスの回数が増えてしまうこともあります。
また、防水性も低いのでコケやカビが発生することもあり、ひび割れや反りも起こりやすい点もあります。
トタン屋根よりも塗装をする回数が多くなりますのでメンテナンスのコストも高いと言えるでしょう。
スレートの劣化
スレートの割れやズレ
割れやズレは防水性が失われているサインにもなり、水分を含んだスレートが太陽光で急激に乾燥される状態が繰り返し起こると反りの原因になります。
これを放置するとひび割れた部分から雨水の浸入になり、建物内部への影響を及ぼす可能性もありますので早めの処置が必要になります。
色褪せ
色褪せは紫外線や雨風を受けることにより塗膜の保護機能が失われている状態です。
塗膜の剥がれ
塗膜の剥がれは、塗膜の保護機能が完全に失われている状態になります。放置すると屋根自体が劣化し雨漏りが発生する危険性もありますので早めの塗替えをお勧めします。
コケや藻
カビや藻、コケは防水効果が低下しているサインの一つです。特に北側の屋根など日当たりの屋根には発生しやすいです。
症状によっては高圧洗浄できれいにすることも可能ですが、コケやカビは防水効果が失われている状態で発生していますので、塗替えをすることで防水性を高めることが必要になります。
スレート塗装
スレートの塗替え時期は約10年で定期的にメンテナンスの必要性があります。塗膜がない状態になると防水性、保護機能が失われますので雨漏りの原因にもつながります。
塗装の工程
縁切り
塗装後に瓦と瓦がくっつくと雨漏りの原因にもなりかねません。塗装した面は全箇所縁切りが必要となります。タスペーサーと言う空間を作る部材の挿入もあります。
下地補修
クラックや割れ、雪止めの曲がりも補修していきます。
高圧洗浄
コケやゴミ埃などをしっかりと洗い流し、塗装前にきれいにしていきます。
下塗り
浸透性が良いカチオン系プライマーやエポキシ系プライマーで下塗りをしていきます。
上塗り
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機など様々な樹脂塗料から選んでいきます。雪国では使用されることが多いので耐候性を重視した塗料で塗替えをすることが多くあります。
スレート屋根のカバー工法と葺き替え
スレートのカバー工法と葺き替えは20年から30年が目安です。劣化が激しいときは塗装だけでは対応できないときに行う工法になります。
カバー工法とは既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せる工法です。
葺き替えは既存屋根材を撤去し、新しい屋根材を施工する工法です。
近年はスレート屋根にトタン屋根をカバールーフする工法も増えてきています。
2004年以前のものはアスベストに注意
1960年~2004年までに施工されたスレートにはアスベストが含まれている石綿スレートを使用しています。ひび割れや滑落によってアスベストが飛散し、健康被害が出る恐れがあるので注意が必要です。
メンテンナンスの際は、カバー工法ではアスベストの解体処分費はかかりません。葺き替えや家を解体する場合には解体処分費がかかります。
2004年以降に施工されたスレートは、無石綿スレートと呼ばれるアスベストが含まれていない、人口繊維や天然繊維が使用しています。
まとめ
スレートは一般的によく使用されている屋根材です。薄くて軽量のため耐震性にも優れ施工費用も安いというメリットがあります。
ただ、耐久性は他の屋根材に比べて劣る部分がありますのでメンテナンスは劣化症状をみて定期的に行う必要性があります。